20210407 memo/インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

久しぶりに『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を見たので思ったことをメモ。

確かこの映画を初めて見たのは小学生の頃で、正月の年越しを終えた後、点けっぱなしにしてたテレビでたまたまこの映画が流れていたのを見たというめちゃくちゃな出会い方だった。改めて見ると、トム・クルーズとブラッド・ピットにヴァンパイアをやらせるなんてどんな発想だよと驚いてしまうけど(しかも信じられないことにハマっている)、もう一つ、吸血鬼映画を撮るという事にどれくらい自覚的な作品だったのかが気になった。

『ノスフェラトゥ』から始まった吸血鬼映画はもはや古典中の古典と言っても叱られないジャンルで、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』が公開された1994年の時点でも懐古的な企画だったんじゃないかと思う。それを踏まえると、わざわざ現代まで生き残ったヴァンパイアをインタビューするという構成にしているのも、いま吸血鬼映画を撮ることに対する自己批判ではないかと感じてしまう。(最近で言えばトリガーの『リトルウィッチアカデミア』が似たことをやっていて、作中世界でも魔法少女が時代遅れな存在であることがはっきり示されている) しかも最後にはダメ押しで、話を聞くうちに吸血鬼の世界にすっかり魅了されたインタビュアーが仲間になりたがるも、拒否された挙句殺されてしまうというオチまで付いている。でも、主人公のヴァンパイア二人に魅了されて、今更このジャンルに入門してしまう人も当時結構いたんじゃないかとも思う。最近でも『トワイライト』や『ジュラシックワールド 炎の王国』があったし、姿を変えながら生き残っているようにも見える。

まあそんなことを考えてしまうくらい、今見ても色気のある良い映画だった。

そういえば最近『ぶらどらぶ』の公開分を全部見たんだけど、1クールの最終話で『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』が引用されていた。押井監督も引用には拘りがある人に見えるけど(時に滑るけど)、昭和ノリを押し付けまくるこのアニメと吸血鬼に何か繋がりがあるのか、最後にはジャンル愛か自己言及的な何かが見られるのか、そもそも『ぶらどらぶ』がどれくらい本気の企画なのか、少し考えてしまった。