自分のためのぼっち・ざ・ろっく整理


このブログの文章はいつも着地点を決めたうえで書いているが、今回はアニメ版『ぼっち・ざ・ろっく』が終わってしまった悲しみを埋めることを目的に、何が自分に刺さったのかを行き当たりばったりで分析しながら書き殴ったものになる。

それ故に内容が肥大化しているが、まつだひかり以降のロック漫画の流れが整理されたり、日常アニメのリアリズムの根拠が変遷していることに気付いたりと、色々収穫があったため公開する。

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あfろファンから見る映画ゆるキャン感想

先に映画ゆるキャンの感想を述べてしまうと、「キャンプ場づくり」と「社会人の青春物語」のどちらが主題なのかを決め損ねたことで焦点がぼやけた失敗作だと感じた。

しかし同時に、本作の「キャンプ場づくり」という題材は、原作者のあfろ先生の作家性にぎりぎりまで接近してみせるような魅力があったと思う。

そこで本文では、あfろ先生の過去作について振り返りながら、映画ゆるキャンに埋もれたポテンシャルについて書いてみる。

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20220423 Tokyo Sandbox 2022

復活したTokyo Sandboxを見に秋葉原へ行ってきた。

デジゲー博の癖でUDXに行きたくなるが会場はベルサールの2F。以前セガフェスで訪れた際はかなり広かった記憶があったが、今回はBホールのみの開放でコンパクトになっていた。

以下、印象に残ったものを書いていく。


Paper Trail(NEWFANGLED GAMES)

折り紙をモチーフにしたパズルアドベンチャー。ステージの端を「つまんでめくる」ことで迷路を解き、主人公をゴールまで導いていく。

アートとゲームプレイの融合が見事で、かつ海外デベロッパーが日本文化を参照したゲームとして、『TENGAMI』を初めて見たときに近い衝撃を受けた。(NEWFANGLED GAMESはロンドンのデベロッパー)(確認取れてないので日本の折り紙は全然意識してないよということもあるかも)

ギミックの自由度もあってパズルの難易度は高くなっており、詰まったプレイヤーに後ろで見ていた他の参加者がアドバイスをする風景が自然と生まれていた。

Western Dual Wield

コントローラーの左右のトリガーで2丁拳銃を放つ、西部劇を舞台にしたツインスティックシューター。

実はピュアなシューターではなく、敵やブロックを掴んで投げつけるといったベルトスクロールアクション的なシステムがあったり、画面が強制スクロールだったりと、アーケードライクな要素がミックスされている。アーケードゲーム好きな自分には気になるタイトルで、完成が楽しみ。

SONOKUNI(DON YASA CREW)

日本のヒップホップグループが開発を手掛けるとのことで注目していたゲーム。

タイトル画面が『Hotline Miami』そのままだったため露骨なフォロワー作品なのかと邪推してしまったが、スローモーションを駆使しながら敵の猛攻を見切って反撃していくという良い意味で異なるゲームプレイに仕上がっていた。

自分はSTAGE1のほかボス戦もプレイさせてもらったが、こちらはSTGのように敵の狙い撃ち攻撃を適切な位置で受けることで回避し易くするといった駆け引きも入っており、日本のデベロッパーらしい要素が感じられた。

本作に自分が一番興味があるのは、高速でトライ&エラーを繰り返す死にゲーのテンポとヒップホップ楽曲の親和性の部分になるが、今回の体験版ではまだ判断が付かなかったため早く次のビルドを触ってみたい。

Wolfstride(OTA IMON STUDIO)

既にSteamで英語版がリリーズ済みのタイトルで、架け橋ゲームズが翻訳を担当する日本語ビルドが展示されていた。

PVはまるでロボットアクションのようだが、実際は寂れた田舎町で小金を稼ぎながらロボット開発資金を貯めていくという『ノーモアヒーローズ』を思わせるアドベンチャーゲームになっている。体験版をプレイしながら、「もし今もGHMがピュアなアドベンチャーを作り続けていたならこれを出していたかもしれないな」と考えてしまった。

日本語版が来たら買って触ってみようと思う。

A Short Farewell(WANG YANHE)

ピクセル表現やカラーパレットと言い、開発室PIXELの『ケロブラスター』の影響を思わせる2Dプラットフォーマー。シューター要素があり、一度連射を始めると射撃方向が固定される操作システムも同じ。(ただし上方向には撃てない)

よくよく観察すると世界観が不穏なところまで踏襲されており、体験版の時点でははっきりしないが、この辺りに独自の解釈を込めることでオリジナリティを出そうという作品なのかもしれないなと思った。

(WANG YANHEさんは過去に『1969』という文化革命中の母親の生活をテーマにしたゲームを制作している)


以上。

2020年以降はこの手のイベントに一度も行っていなかったため、久しぶりに良い熱量に揉まれて良かった。

20220402

無事に3回目のワクチン接種が終わった。案の定副反応にやられたので、今後のために記録を残しておく。

  • 4/1 15:00 ワクチン接種。武田/モデルナ。
  • 4/1 16:00 副反応に備えて買い込み。この時点では異常なし。
  • 4/1 20:00 食欲は普通にあったので夕食。風邪のひき始めのような怠さがあるが大したことない。
  • 4/2 02:00 悪寒で目が覚める。体温を測ると38度。このまま10:00まで寝たり起きたりを繰り返す。
  • 4/2 10:00 体調が安定。微熱は続いているが読書やゲームができるくらいには回復する。
  • 4/2 16:00 シンデレラ10thを見る。めちゃよかった。
  • 4/3 11:00 10時間睡眠の末に起きた。完全に熱が下がる。買い出しに出たら軽くクラっとしたのでこの日は家で過ごす。

2回目は39度近い熱が出たことを思えば多少マシになったが、やはり休日がほぼ潰れるのは変わってない。この儀式をこれからも半年毎にやらなくてはならないのか…。

儀式そのものは受け入れつつ、引きこもり用の楽しみを用意しておくのが良さそう。(今回はシンデレラライブだった)

20220315 Chim↑Pom展

Chim↑Pom展、会場内にアスファルトを引いてストリート的な公共空間をつくり、そこをワークショップエリアとして開放するアイデアに感銘を受けた。

別日には自分の好きなダンサーであるAokidもここで踊っていたらしい。

良いものを見たなと気分よく帰ってネットを見たら、森美術館での展示を拒否された作品が別会場でこっそり公開されていたらしい。しかも森美術館の入口で申し込みしないと見れないとのことでもう手遅れ。悔いが残ってしまった。

SIGMA dp2 Quattroを買った

もう2か月くらい前の話になるけど、シグマのdp2 Quattroを買った。

自分は別にカメラ好きではないことを踏まえると、このセレクトはなかなか思い切った判断だったと思う。

シグマのカメラというのはとてもピーキーで、特定の条件下では驚くほど美しい写真が撮れる一方、高感度に弱い面があり、光量が足りないとまともに撮影できなくなってしまう。ここで言う光量が足りないとは、「室内で撮る」とか「日陰で撮る」などを指していて、野外でも夕方になって太陽が隠れ始めたらその時点で使い物にならなくなるという、iPhoneのカメラに慣れているような人からすれば信じられないような世界になっている。

これを回避するにはF値、シャッタースピード、ISOの関係を理解して調整する必要がある。少し例を挙げてみる。シグマのカメラは他メーカーと違ってISOを400以上にするとノイズが乗り始めるため、自分は基本ISO100で固定している(いいのか?)。その状態で日陰に入ると光量が足りず画面が暗くなるため、シャッタースピードを落とすなどの対策が必要になる。シャッタースピードを落とす≒露光時間が長くなるためぶれ易くなるので、カメラを固定できる場所を探す、といった具合になる。自分も最初はこの原則が分からなかったので、安倍吉俊氏のブログを読んだり、以下のような図をみて勉強した。

失敗例として以下の写真を挙げてみる。

DP2Q0631

これは一見モノクロ写真に見えるけれども、実は通常モードで撮影したもの。背景に薄っすら見える通りここは竹林の中で、光量が足りないせいで真っ暗になっている。dpでこういった場所で撮影するなら、三脚を用意して長時間露光などしないとダメらしい。

逆に、条件がハマった際のポテンシャルは素晴らしくて、植物であれば葉脈まで見えるほどの高精細な写真が撮れる。

DP2Q0530

遠景も良くて、下の写真は建物に当たった日の光と、陰になっている場所のコントラストがうまく出ている。

DP2Q0398

とまあ、ここしばらくはそんな感じで大量の写真を撮って過ごしていた。

しっかりとしたカメラを使うことで初めて気付くことはあって、最近はボケのことについてよく考える。ボケを使うとなんとなく良い写真が撮れたような気になってしまうが、これは要するに「撮りたかったもの」だけが写真に映り込むため完成度が高く見えるからなのだと思う。しかし、本来は構図が良ければ「撮りたかったもの」は伝わるのであって、安易なボケ使用は思考停止なのではないかと気づき反省した。それにノイズ扱いして隠した部分に面白いものが映り込んでいた可能性だってあるわけで、一枚の写真を楽しむ寿命を長くするのならば、ボケは強い意図がある場合を除いて封印した方が良い気がしている。

例えば以下は抽象的な画になっていてエモいけれど、実は撮りたいものが未定なまま撮影した曖昧な写真。悪くはないと思うけれど、これに頼りすぎるとスキルは上がらなそう。

DP2Q0557

とは言え、「なんだこれ?」と感じる捉えようのない写真に面白さが眠っているのも確かだとは思うので、ルーレットを引く感覚で大量にシャッターを切るのは続けていこうと思う。

DP2Q0774

DP2Q0586

DP2Q0669