20240217 ねじまき鳥・micro ambient music fes

20240217

『ねじまき鳥クロニクル』を読み終わる。後半は続きが気になりすぎて、昼休みに会社で文庫本を開いていた。

前に書いた主人公と妻の話が中心という推測は当たりだった。途中クレタ島へ向かうと見せかけて行きませんというフェイントまで入ったりと、眼の前の問題に向き合い外部への移動をさせないことは想像以上に重要なルールとして厳守されていた気がする。その代わりに、208号室といった日常のすぐ隣りにある異界へ壁抜けする展開を用意することで起伏がつくられていた。

登場人物も色々出てくる割には、皆主人公と妻のアルターエゴとしての役割が強かった気がする。そうやって極端に内向的になってしまいそうなところを、ノモンハンなど日本の戦争の歴史を交えることであくまで近代日本の話としてまとめるのは流石にうまい。というか、個人や国のトラウマを歴史ではなく物語として語り直すことが、箱庭療法的な形で回復に繋がるというのがメインテーマだった(最近で言うと小森はるか+瀬尾夏美や濱口竜介の東北映画が接近した内容に似ている)。

とは言え自分が本作で最も面白いと感じた部分は、村上作品では珍しく「僕」でなく「僕と妻」の話にしているところで、他者が絡む以上、勝手に破滅する訳にも行かず関係の回復を狙うしか無いという通底するポジティブさが良かった。

次は『首里の馬』かなと思っていたけど、ちょうど届いた『他者といる技法』が『ねじまき鳥』の後にはぴったりな気がして迷い中。

20240222

イルリメさんの新曲MVが来た。音楽もアニメも全部でやるようになった末の極地。一人でミッドナイト・ゴスペルをやってるようなものだよ…。

過去作はこんな感じ。

20240224

micro ambient music fesを見にICCへ。3日の期間の中、後ろの2日分に参加。

ICC内の3種の会場を使い分けており、アコースティックなパフォーマンスに向いた小会場、グループ展で使われるホールにマットレスを敷いて寝転び音楽を聞く第2会場、zak氏が監修する最新鋭の音響システムを搭載したイベントホールがあった。

目当てだった蓮沼、網守回についてメモしておく。

蓮沼執太は小会場を選択。いつものEMS Synthi Aと共に、金属の板、氷、ピンマイクを持ち込み。

一言で言うと、今回は不快な音も出していく佐々木敦の言うところの黒蓮沼ライン。板の中に氷を溶かして、その中にピンマイクを擦り付けた音をアンプリファイしていくというパフォーマンスだが、黒板を引っ掻くような高音がかなりキツくて震えながら見ていた。周りも悶えている人がそこそこ居て退出している人もいた。しんどくてもコンセプト最優先でやってくれるとのは嬉しく、水戸芸でみた屋外で爆音でsin波を出すだけのライブで衝撃を受けたのを思い出した。ちなみにこのフェスはコンピアルバムからの派生企画だが、そこで蓮沼執太は氷結した湖で採取した音を提出しており、このパフォーマンスはその再現なのだと思う。

網守将平は第3会場。Erica SynthsのSyntrxやプロフェットをセット。

まずはワイングラスの縁を濡らした指で拭いて音を鳴らして、マイクで拾う→スピーカーで鳴らす→部屋鳴りと一緒にマイクで拾う→スピーカーで鳴らすを繰り返して、会場固有の鳴りをドローンのように組み上げる(爆音に共振したのか空調の振動音も拾っていた)。その上に、Syntrxの電子音や、プロフェットでの演奏を乗せていた。正直、このイベントで素直な鍵盤での演奏が聞けるとは思ってなかったが、直前まで網守将平は神山まるごと高専校歌の編曲で坂本龍一の演奏を研究していたという話だから、その成果発表的な部分がもしかしたら含まれていたのかもしれない(完全に当てずっぽうでゴメンナサイ)。

ちなみに第2会場も面白く、見知った美術館の床で寝るというレアな体験ができてラッキーだった。ちなみにスピーカーは、正面4ch、天井前側4ch、天井真上4chという(恐らく)12ch構成になっており、ただ寝るだけではなくシャワーのように音を上から下に浴びる形式を意図していたようだった。

20240302

FF7をちまちま進めつつ、午後は柴田聡子のライブを見に恵比寿へ。

先に写真美術館にも寄ったが、米田知子の軍事境界線の写真、グエン・チン・ティのチャム人についてのビデオが印象に残った。(APAもついでに見たけど言うことはない)

柴田聡子のアルバムリリースライブを見るのはぼちぼち銀河に続いて2度目。アルバムのコンセプトがブラックミュージック寄りということもあってバンドメンバーが微妙に違っていた(イトケンさんが居ない。プロデュースを担当した岡田拓郎はもちろん継続)。

ぼちぼち銀河のライブが良い思い出過ぎて超えられないかもと思っていたが、これまでにはなかった柴田聡子の低い歌唱や、ドラムやベースが前に出てくるアレンジなど、新鮮な要素だらけではしゃいでしまう。ラストの「Your favorite things」の長いアウトロで、柴田聡子が一人で先に退場、そのままアンコールなし閉場という締め方も強烈だった。

最近バンドのライブを楽しめずに帰ることが多くて避けがちになっていたが、久々に身体が自然に動くライブを見て純粋に楽しかった。

20240305

Live 12が遂にリリース。キャッシュファイルの破損で初回インストールが失敗するも、1回のリトライで済んで一安心。

Driftに続いてMPEのシンセが追加されてるみたいだけど、対応機器を購入する予定も無いし持て余しそうな感じ。不安だったセッションビューでのフェーダ表示は、トラック数が増えるとやはり画面がゴチャついてくらくらしてくる。

これは自主的に使用禁止にするかも…。

あとアイマス新作の情報も出ていたが、アイドルの歌声にホールをシミュレートしたリバーヴが適用されてたのが衝撃だった。スタマスの汗表現に続いて、没入感を重視する実験が少しずつ行われているみたいだけどこっちが主流になる日は来るんだろうか。私は期待しています。

20240203 恵比寿映像祭・雪山・unpeople360

20240203

今年も恵比寿映像祭へ。

映像の1回性が裏コンセプトとのことで、例年以上にパフォーマンスを多めに設けているらしい。会場に着くとエヴェリン・タオチェン・ワンがスライドショーに歌唱をミックスした不思議なパフォーマンスをしていて、最後まで見てしまった。

映像で印象に残ったのはJay Chung and Q Takeki Maedaの「Caducean City」。

Jay Chung and Q Takeki Maeda – Caducean City, 16mm, silent, 28m20s, 2006 (excerpt) from J J on Vimeo.

車載カメラ映像が好きすぎるという自分の嗜好の問題もあれど、サイレンを鳴らした救急車から見える光景を撮るという発想に痺れた。ちなみに会場では超大型スクリーンに投影されていたのでかなりの迫力がある。

あとは荒木悠の笑えるフードファイトや、車椅子ユーザを排除する台湾体制についてのドキュメンタリーが良かった(スマホ歩きした人が不注意をやらかすシーンの”撮れてしまった”感がすごい)。

最後は1Fの映画館でミヤギシフトシの「American Boyfriend: For a Stranger」を見た。実は「The Ocean View Resort」は未見で、ロマンチックかつプライベートなムードにがっつり惹かれてしまったのだけど、感傷に浸る間もなく連続で続編(コロナ禍以降が舞台になっていた)を見ることになったのはちょっと勿体なかった。

他の作家の作品では、ハナ・クインラン&ロジー・ヘイスティングスの「Something for the Boys」や、小説家の高山羽根子による朗読パフォーマンスが良かった。印象に残ったので帰宅後に早速「首里の馬」をKindleで買う。

上映後に出口でミヤギフトシの書いた小冊子が貰えたのだが、2F会場にあったミヤギフトシの基準不明なセレクション作品についての解説があり、ようやく腑に落ちるという仕組みになっていた(上映に来れなかった人はノーヒントということなんだろうか)。

20240208

年に一度の木下美紗都の公式HPを覗く儀式をしたら、本当に更新があって驚いた。soundcloudと短編小説のリンクが増えている。

http://kinoshitamisato.com/

piano floatということであくまで歌唱は封印するなど、これまでの自身の活動とは距離を置いたままという印象。

小説も購入はしてみたが、メンタルが好調でないとバッドトリップしそうな気配がしたため一旦封印することにした。

20240209

山欲がひさびさに高まってきたので北八ヶ岳へ。なんかダイヤ改正でバスの本数減ってるね!

久々にパリッとした写真が撮れた。

DP2Q3775

雪山で写真を撮る時、実は殆どのケースでファインダーを見ていない。カッコつけているのではなくて、雪山では太陽光が直に降り注ぐせいでカメラの液晶モニタが全く見えないから(アタッチメントなしのdp2 Quattroの限界)。必然的にスナップ写真の要領でやるしかない。

真面目に写真を撮るのは土台無理なので、山でカメラを構える回数はどんどん減らしているが、それでもたまにはこういうのが撮れるので止められない。

特急で「ねじまき鳥クロニクル」を読み始めたが、気まずい気持ちになる。

村上春樹の長編小説はA地点からB地点に移動するような感覚が常にあって安心して読めるのだけど、今作は主人公と妻の関係が不安定になっているのが最初に提示された後どこにも行けない。リビングルームに縛られるような構成になっている。そこに外部から奇妙な訪問者が現れて揺さぶりをかけてくるのもカウンセリングにしか見えない。主人公と妻の周りにフィギュアを置いてジオラマをつくっているような感じ。

20240210

いつもは配信で見ているRITTOR BASEに初めて直接来た。目的は蓮沼執太のunpeople 360°版視聴会。

Ableton and Max Communityにリモート参加しているときは勝手に学校の講義室のような広さを想像していたが、実際はビルの地下にあるこじんまりとしたライブハウスという感じで驚いた。

RITTOR BASEの360°音響システムは、立方体の角の部分にスピーカーを計8個配置して音場を構築するというもの。そこに従来のステレオとウーファーも加わるので8ch+2.1chということになる。

再構成されたunpeopleは、ワナパンチのmixを思い出す派手な音源位置の移動があるのは勿論、複雑なポリリズムを持つ楽曲が発音先が分かれることで聞きやすくなるという当然の効果もあった(特に”Postpone”)。

やはり連想するのはアンビエント京都のコーネリアスの展示で、2mixではピンポンディレイにしていた音が360°版では回転するmixに直されているというのがあったけど、unpeopleの楽曲もそれに近いような再解釈が加わっていて聴き応えがあった。

とにかく贅沢で、途中から音に集中しようと目をつむって聞いていたが、PAさんも空気を読んでかいつの間にか会場の照明が落とされて真っ暗になっていた。

視聴会の後は30分の休憩を挟んでパフォーマンスへ。すでにPOST、ユーバランスで見ているので今回は3回目。いつもはレコードに即興演奏を重ねる形だったが、今回は360°mix音源を使用していた。持ち込んでいる機材の種類は恐らく過去最多で、RITTOR BASE内の4エリアに分けて配置された楽器ブースを行き来きしていた。

次の草月会館でのパフォーマンスも毛色の違うものにする予定とのことだったので予定が合えば行きたい。

連休はまだ外出する予定があるので、時間潰し用に「ねじまき鳥クロニクル」の2,3巻を丸善で購入。隣のレジのお客さんが「忙しいときに来てごめんねー」と店員さんに話しかけているのを見て、水道橋良い街だな~と思った。

20240211

赤城山・・・は行ったことがあるので逆側の長七郎山へ。

なだらかな傾斜で登りやすく、眺めも最高、かつ氷樹も美しい、という雪山ハイキングの魅力全盛りの素晴らしい場所だった。

小滝に氷瀑があると聞いて奥まで行ってみたが、かなり溶けていてしまっていた。申し訳ないが日光の庵滝の方に軍配が上がる。

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小沼は完全に凍りついていてど真ん中を横断できた。以下の写真は横断している人のキャラがシルエットに出てるのが面白くてお気に入り。

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バスまでの時間が余ったので初めて「風の庵」で食事。芋串は味噌の甘さが良い感じだった。

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20240101 正月・ICC・ユーバランス・吉田志穂

20240101

正月。特に予定も無かったので自転車で近所の神社へ向かい初詣を済ませる。甘酒を楽しんだ後、スーパーで安売りされているおせちを買い込み帰宅。ボイスチャットを繋ぎながらバルダーズゲート3を進めていると地震が。東京と神戸が同時に激しく揺れるとはどういうことかと会話しながら、しばらく情報収集していた。

残りの休日は去年と同じく山に出かけようと計画していたが、余震が心配だし何より気分も落ち込んでしまったので中止することに。

少額だが災害支援に募金を入れる。そういえば学生時代にも東日本大震災で募金をしたが、あの時は罪悪感を解消するために募金をしてしまったと思い詰めるという変な悩み方をしたのを思い出した。この手の支援は、自分が被災した側にまわったときに誰かに支援してもらえる社会に近づけるためにやるのだ、という発想が当時の自分には無かった。

20240113

時里さんのパペットを見にICCアニュアルへ。勿論坂本龍一展も見る。

アニュアルではインタラクションの要素がある作品が多く、アートを見に来たつもりがビデオゲームのフィルターを通して色々考えてしまった。

一番分かり易いのが「Five Years Old Memories」。タブレットでプレイするアプリ作品で、作家が知人から集めた5歳の夢を再現している。目的が曖昧な行為をやらされることで、鑑賞者にインタラクションそのものを楽しませるというアートゲームの王道のような作品に見えた。

電車で車窓を眺める体験を模した武田萌花「Day Tripper」は、ダライアスや電車でGOといったタイトーのAC作品のように、座席が揺れる仕組みまで作り込まれているのに感激。

その一方で、作家が訪れたことがない街をCG映像で再現した菅野歩美「未踏のツアー」は、「E52」をつくった身としてはドキリとする設定だが、CG=夢という接続が自分の感性と乖離しているのを感じた。

坂本龍一展は、映像がメインで正直見どころは少な目。それでも毛利さんのインスタレーションは良かった。個人的にはワタリウム美術館の設置音楽展のような方向性が見たいが、MOT側はどうなるんだろうか。

20240121

ユーバランスを見にWWWへ。

サウンドエンジニアの葛西敏彦主催のイベントという情報だけでチケットを購入していたが、ライブハウス内で同時多発的にパフォーマンスが行われるという周遊型フェス企画だったと直前で知る。

かなり風通しの良い企画で、ライブの殆どが即興だったり、詩人の大崎さんの朗読やチェルフィッチュの演劇を音楽と混ぜる試みがあったりと、実験OKな空気感が居心地良い。キャストも出番がない間は廊下で雑談したり客席にしれっと混ざっていたりする。

特にロビーで平然とDTMをしている三浦康嗣は最高だった。構成はMac mini+NI製鍵盤+ProTools。会場の音をマイクで採取してビートを組んだり、everyday is a symphonyのプロジェクトを解剖したりしていた。tr.1の「よ〜」は いとうせいこうが結婚式の余興を録音したものだったことが判明したりと新情報がポロポロ出てくる。途中で網守将平が遊びに来て「□□□っぽいエレピ」を鍵盤でサクッと打ち込んで去っていったのは笑ってしまった。(三浦康嗣曰く音源はfalconのエレピを使うのが正解らしい)

その網守将平はWWWのメインステージにて、完全に照明を落とした会場で口に咥えたペンライトを頼りに爆音の電子音を鳴らし続けるという尖りすぎたパフォーマンスを披露していた。

その後の蓮沼執太回にもゲストとして網守将平は参加していて、今自分が一番熱心に聞いている二人の即興演奏を聞けたのはラッキーだった。

20240127

写大ギャラリーへ吉田志穂展を見に行く。

大学付属の無償ギャラリーでの展示というのもあり期待値を上げすぎないよう向かったが、ここ数年の吉田志穂の展示で一番刺さってしまい完全に杞憂だった。今回は物理的なレイヤー表現に力が入っていて、同じ場所で撮影した複数の写真をデジタル加工で合体させる過去の手法はそのままに、透明なパネルを物理的に重ねて飾るという形に発展していた。中にはあえて透明度の低いパネルの裏に更にもう一枚パネルを隠して、はっきりと見えない写真をつくるという嫌らしいものも。ティルマンスの壁どころか地面まで展示空間に使っているのも良かった。

時間が余ったので、さわひらき作品目当てで森美術館とキース・ヘリング展に寄った。キースヘリング展は予想通り人が入っていて落ち着ける雰囲気では無かったが、来日していたキース・ヘリングが原宿のBBOY達のために路上にチョークでドローイングする映像が非常に良かったので満足した。これだけで来た甲斐があった。

20231209 梅田哲也・アシペル

20231209

予約していた梅田哲也展へ。

梅田哲也といえば、以前にart token center主催の「螺旋の川」参加予定だったものの、本番も予備日も雨が降ってしまい中止になった苦い思い出がある。今回は屋内展示ということでその点は安心。

美術手帖の体験記事も出ているので、端的に自分が気になったことだけ後で思い出せるように書き残す。

まず意外だったのはテーマパークの美学的な要素があったこと。20分毎にやってくるゲストを正確にさばくために、スタッフそれぞれに20分のアクションが割り当てられていて、それを繰り返せばローテーションが回るようになっている(ディズニーランドのライド型アトラクションのように)。この円環構造はゲストにも積極的に明かされていて、スタート地点であるワタリウム美術館最上階で木の葉(?)を下の階で案内されているゲストに対して落とすパフォーマンスがあるなど、現在の自分と過去の自分が繋がる仕組みが節々で用意されている。

もう一つは天井桟敷の演劇へのリファレンスと差異。美術館の控室へ案内されたとき寺山修司について語る音声が流れているが、これが最後の展開の予告になっている。美術館内の移動が終わると渡されたチラシに従って別会場に移動するよう指示されるが、そこには案内スタッフはおらず実はこの時点でゲストはこの展示から開放された状態になっている。別会場(=ワタリウム美術館向かいの空き地)からは、ローテーション通りに行動するスタッフとゲスト(過去の自分)が見えており、こちらに手を振ってくるので自然とこちらも手を振り返す構図になる。自分がここで感じたのは、今体験しているのは市街劇というより、手を降る行為により演劇空間の賞味期限を延長している感覚だった。終わりがはっきりしない曖昧な演劇とは少し違い、自分で終わるタイミングを決める演劇という感じ。準備されていたポットのお茶を一杯頂いたとき、他の5人のメンバーはまだ一人も抜けていなかったが、いち早く自分は脱出させて貰い帰路についた。

20231217

アシペル主催のイベントへ。飯野賢治の映画と、神谷・三上コンビのトークショーが目当て。

到着直後、元某ゲームメディアのSさんが歩いていていきなり緊張してしまった。都内のゲーム展示会に行くとほぼ確実に取材に来られていて静かに尊敬していたが、この日も案の定だった。それに比べて私は…と悪い思考に一旦なりかけるもリセットして展示を見る。飯野賢治の1週間のスケジュール表の殆どが打ち合わせで埋まっていたが、どこで仕様切ってるんだろうと気になった。

トークショーはメディアを入れておらず、SNSにも書くなということだったので触れないが、バイオ1.5の裏話などファンには嬉しい話が沢山聞けた。Q&Aコーナーは手を挙げるのが海外の方ばかりで苦々しい気分になったが、そういう自分も聞きたいことはぶっちゃけ無い。(手を上げた方の1人は驚いたことにMelosさんだった!)最後にサイン会があったので、二度とこんなチャンスは無いだろうと参加。ゴッドハンドとW101のディスクにサインを頂く。神谷さんは既にメディアでも話されている通りゲーム制作を続けるということなので、新作を楽しみにしていますとだけ短く伝えて帰った。

20231229

サンガツのライブを見に渋谷へ。事前予告通り、本当に植物と人体を使って演奏をしていた。言葉にできない…。

20231231

例年通りビデオゲーム振り返り記事を公開。本当は12/30に済ませて大晦日は料理でもしようと思っていたが、結局食い込んでしまった。

https://ainamoor.com/gametext/2023videogame/

やはり残念なのはこのラインナップにスト6を入れられなかったこと。これはゲームが悪いのでなく自分の問題で、音楽の勉強と格闘ゲームの練習がバッティングした結果、最初の1ヶ月しかまともに触れなかったのが理由。”毎日少しずつ進める枠”には1個のタスクしか入れられないというのが今年の一番の学びだったかもしれない。

20231202 ピアノ男・千葉みなと

20231202

楽しみにしていたAbleton and Max Communityのピアノ男回を配信で見た。テーマは「ハック&クラック」。先日ナタリーでピアノ男の執筆した「「割れ音源」は完全に悪なのか?」が公開され話題になったばかりだが、改めて本人の解説で深掘りしていくというもの。

最近の彼の活動で興味深かったのがビアノ男ビデオズ。突如Youtuber活動を開始したかと思いきや、その動画を自作自演で他の動画サイトへ転載。その際に動画サイトの著作権保護システムを回避するための加工を施していくことで、合法的に作られた違法アップロード風動画を生み出すという試み。音楽家としての範疇を超えてサンプリング文化そのものに迫ろうとする姿勢にドキリとさせられた。ナタリーの記事が出たときもこの直後だったため意外とは思わなかった。

本講演は、サンプリング文化の功罪についてナタリーの記事に無かった新しい解釈が付け加えられている訳では無い。しかし、Max CommunityらしくM4Lプラグイン「Wareser」に用いられているmp3圧縮風の劣化表現の仕組みについて技術面から解説があるなど、見どころは多かった。

何より最高なのが参加者特典の「warezer trial」。これはGumroadで販売されている「warezer」の体験版なのだが、一定時間毎に「体験版をご使用いただきありがとうございます」という合成音声が鳴り響くという試用版あるあるが実装されている。講演開始までの待ち時間に既に触っていたのだけどめちゃ笑ってしまった。

更に講演内ではMaxスクリプトを編集してこの音声を解除するという”合法的割れ”のやり方をレクチャーしてもらえるなど大サービスの内容だった。自分もMaxの環境は構築済みなので、解除して遊ぶところまで実際にやってみた。有償版を持っている人でも、体験できる「ピアノ男ビデオズ」として手に入れておいた方が良いやつ。

アーカイブ期限が切れたときのために自分用にメモを残しておくと、plugoutに繋がっている「sfplay~ trial.aiff」を「qmetro 10000」で定期的に叩くことで音声を鳴らしているのでここをまるっと削除すればOK。さらにwarezerの仕組みを解析したい場合は「mp3ize」の中に処理が入っているのでここを展開すること。製品版warezerにはビットクラッシュ具合を調整できるつまみが付いているが、「mp3ize」をうまく使えば再現したり独自機能を付け加えられるかもしれない。

夜にイルリメの新譜がリリースされていると知り購入。

20231203

テオ・ヤンセンのストランドビースト歩行イベントを見に千葉みなとへ。

千葉方面へ向かうときは京葉線を使うが、窓から見える人工的な景色(高速道路、企業の巨大倉庫、公団住宅)にいつも見入ってしまう。自分がCities:Skylineをプレイするときは、物流に強い高速道路沿いに工場を置き、その外側に商業施設、続いて住宅という順で配置するが、市民が訪れなくていい内側の世界を見学している気分にさせてくれる。

千葉みなとは船着き場の他に公園や美術館などの市民スペースが集められた場所のようで、この日はフリーマーケットなど他のイベントが同時開催されていた。そのせいもあってか、客層はアート好きより家族連れで賑わっている印象。事前申し込みした人が交代でストランドビーストを押せるようになっていたのだけど、強い海風のおかげで勝手に前進してしてしまうので皆コントロールに苦戦気味だったのが微笑ましい。

ストランドビーストが歩いているすぐ後ろの海ではウィンドサーフィンを楽しんでいる人が居たりと皆好き勝手に過ごしている空気が心地よく、自分もイベントを早々に離脱してICレコーダーを回しながらの散歩に夢中になってしまった。

もう美術館の展覧会は見なくて良いかなという気分になっていたら、来客が多すぎて入場制限がかかったというニュースが。適当に千葉駅周辺を散策してから帰った。

20231204

ヒラヒラヒヒルをクリア。「BST」と同じテーマをさらにフォーカスを絞って描いており、瀬戸口廉也の興味の方向がより分かる作品になっていた。これはちゃんと文章を書きたいので年末ブログに取り上げることにする。

20231014 京都

しばらく前に予約に成功したテリー・ライリーの能舞台ライブの日が来たので京都へ。このライブはKYOTO AMBIENTの2回目に合わせたイベントということで、昼間は展示を見て回った。

前回はブライアン・イーノ特集だったが、今回は坂本龍一やコーネリアスなど複数アーティストを取り上げるかたち。

恐らく多くの人が本イベントで目当てにしているのは坂本龍一とダムタイプ高谷史郎のインスタレーションだろうが、自分はここ数年のダムタイプの展示やパフォーマンスでスリットスキャンを使った映像は何度か見ていおりテンションは上がらず。どちらかといえばサウンドエンジニアのZAK氏が関わっている京都中央信用金庫の展示が刺さった。

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