20251109

昨日の疲れが残っているが早めに起きる。傘と共に電車を乗り継いでMOTへ行き、笹本さんのパフォーマンスを見る。

今日のプログラムは「ストレンジ・アトラクターズ」と「スピリッツの3乗」。前回見た2つと合わせて4種すべて見ることができた。

近年の作品である「スピリッツの3乗」は、「ねじれた嘘」と同様に長い筒を振り回して波を起こすアクションがあるなど共通している要素がある。逆に「ストレンジ・アトラクターズ」の部屋は狭く、筒の中に笹本さんが入ってカートゥーンのキャラクターみたいに(観客にぶつかりながら)動き回るなど、窮屈さを意識させるパフォーマンスになっている。ベテランになるにつれて任される展示空間のサイズが大きくなった結果、年を重ねた現在の方が広い部屋を走り回るような体力を使う演目が可能になるという逆転が少し可笑しかった。

2つの演目は3時間の間が開くため、人の少なそうな喫茶店でDAWを立ち上げて作業も進める。最近は家の外でDTMをやるのもすっかり慣れた。むしろ衆人環視の中で作業した方が、うっかりYoutubeを開いて脱線することもないので進みが良いかもしれない。MIDI鍵を叩けないストレスはままある。

帰宅後に青島もうじきの「私は命の縷々々々々々」を読み終えた。長谷川白紙や米澤柊の作品に触れている時のようなほどける心地よさを感じさせる文体がとても好み。反出生主義と百合SFの悪魔合体…と説明してしまうと「ハーモニー」を連想させてしまいそうだが、むしろ青春小説の枠に収めることで自分に引き寄せて読ませる距離感になっていて、それがかえって社会を深刻に感じさせてくれるのが良い。

末尾の参考文献にピープルの「ミネルヴァ」が含まれているのにハッとする。他も含めて1個ずつ読んでいくと、引用ではなくインスピレーションを与えた作品を列挙したようなものになっている。半分本気、半分攪乱の感じだ。