20231202
楽しみにしていたAbleton and Max Communityのピアノ男回を配信で見た。テーマは「ハック&クラック」。先日ナタリーでピアノ男の執筆した「「割れ音源」は完全に悪なのか?」が公開され話題になったばかりだが、改めて本人の解説で深掘りしていくというもの。
最近の彼の活動で興味深かったのがビアノ男ビデオズ。突如Youtuber活動を開始したかと思いきや、その動画を自作自演で他の動画サイトへ転載。その際に動画サイトの著作権保護システムを回避するための加工を施していくことで、合法的に作られた違法アップロード風動画を生み出すという試み。音楽家としての範疇を超えてサンプリング文化そのものに迫ろうとする姿勢にドキリとさせられた。ナタリーの記事が出たときもこの直後だったため意外とは思わなかった。
本講演は、サンプリング文化の功罪についてナタリーの記事に無かった新しい解釈が付け加えられている訳では無い。しかし、Max CommunityらしくM4Lプラグイン「Wareser」に用いられているmp3圧縮風の劣化表現の仕組みについて技術面から解説があるなど、見どころは多かった。
何より最高なのが参加者特典の「warezer trial」。これはGumroadで販売されている「warezer」の体験版なのだが、一定時間毎に「体験版をご使用いただきありがとうございます」という合成音声が鳴り響くという試用版あるあるが実装されている。講演開始までの待ち時間に既に触っていたのだけどめちゃ笑ってしまった。
更に講演内ではMaxスクリプトを編集してこの音声を解除するという”合法的割れ”のやり方をレクチャーしてもらえるなど大サービスの内容だった。自分もMaxの環境は構築済みなので、解除して遊ぶところまで実際にやってみた。有償版を持っている人でも、体験できる「ピアノ男ビデオズ」として手に入れておいた方が良いやつ。
アーカイブ期限が切れたときのために自分用にメモを残しておくと、plugoutに繋がっている「sfplay~ trial.aiff」を「qmetro 10000」で定期的に叩くことで音声を鳴らしているのでここをまるっと削除すればOK。さらにwarezerの仕組みを解析したい場合は「mp3ize」の中に処理が入っているのでここを展開すること。製品版warezerにはビットクラッシュ具合を調整できるつまみが付いているが、「mp3ize」をうまく使えば再現したり独自機能を付け加えられるかもしれない。
夜にイルリメの新譜がリリースされていると知り購入。
20231203
テオ・ヤンセンのストランドビースト歩行イベントを見に千葉みなとへ。
千葉方面へ向かうときは京葉線を使うが、窓から見える人工的な景色(高速道路、企業の巨大倉庫、公団住宅)にいつも見入ってしまう。自分がCities:Skylineをプレイするときは、物流に強い高速道路沿いに工場を置き、その外側に商業施設、続いて住宅という順で配置するが、市民が訪れなくていい内側の世界を見学している気分にさせてくれる。
千葉みなとは船着き場の他に公園や美術館などの市民スペースが集められた場所のようで、この日はフリーマーケットなど他のイベントが同時開催されていた。そのせいもあってか、客層はアート好きより家族連れで賑わっている印象。事前申し込みした人が交代でストランドビーストを押せるようになっていたのだけど、強い海風のおかげで勝手に前進してしてしまうので皆コントロールに苦戦気味だったのが微笑ましい。
ストランドビーストが歩いているすぐ後ろの海ではウィンドサーフィンを楽しんでいる人が居たりと皆好き勝手に過ごしている空気が心地よく、自分もイベントを早々に離脱してICレコーダーを回しながらの散歩に夢中になってしまった。
もう美術館の展覧会は見なくて良いかなという気分になっていたら、来客が多すぎて入場制限がかかったというニュースが。適当に千葉駅周辺を散策してから帰った。
20231204
ヒラヒラヒヒルをクリア。「BST」と同じテーマをさらにフォーカスを絞って描いており、瀬戸口廉也の興味の方向がより分かる作品になっていた。これはちゃんと文章を書きたいので年末ブログに取り上げることにする。