『ぶらどらぶ』を全話見たせいで押井守熱が高まってしまい、4月は未見だった作品をひらすら見ていた。
見た分をリストアップするとこんな感じ。
- 天使のたまご
- アヴァロン
- 立喰師列伝
- 真・女立喰師列伝
- ASSAULT GIRLS
- 機動警察パトレイバー the Movie
- 機動警察パトレイバー 2 the Movie
- THE NEXT GENERATION パトレイバー(シリーズ+劇場版)
- 御先祖様万々歳!
パト2見てなかったのかよ!と突っ込まれそう。
まあそれは良いとして、『立喰師列伝』は本気で衝撃を受けた。押井作品の中で一番好きな映画かもしれない。
これ、攻殻あたりが好きな人にとっては押井監督が意味不明なことをやっているようにしか見えないと思う。でも幼少期にカートゥーンネットワークで『アンジェラ・アナコンダ』を見て育った自分にはすごく馴染むアニメで、順当に実写取り込み表現の正統進化をやってるように見える。押井監督じゃなくてもいいけど誰かがやらないといけなかった題材だよ!
内容も良い意味でしょうもなくて、ロッテリアの店長の名前が神山(健治)だったりとか、躊躇なく身内ネタをこすってくる。可愛い後輩である樋口真嗣はまだしも、ずっとお世話になってる川井憲次に牛鼻輪を付けるな。
題材の「立喰師」もただの食い逃げ犯のことで、スカスカの内容を外連味たっぷりの演出と大量の引用で煙にまき続けることで間を持たせている。今なら分かるけど『ぶらどらぶ』はこっちの路線だったのね。続編の『真・女立喰師列伝』はアニメでなく完全な実写になってるけどこちらも面白かった。
脱線するけど、カートゥーンネットワークはこういうシュール路線の作品を定期的に出してるので偉い。今なら『おかしなガムボール』がそれにあたるはず。
それと『御先祖様万々歳!』も良かった。演劇表現を取り込んでるというのは聞いてたけど、近親相姦とか家族というシステムへの不信感とか、扱ってるテーマがそのまんま天井桟敷(寺山修司)。タワマンが舞台だけど話は身毒丸じゃんと思いながら見てた。
押井守は映画語りするとすぐにゴダールやトリュフォーの話が出てきたりとか、如何にもその世代の映画オタクというイメージが強かったけど、むしろ同業者がカバーできてない分野から引用ができる人だったんだなと気づいた。
見た分の感想としてはこんなところ。赤い眼鏡とかケルベロスとか残ってるので、押井週間はもう少し続く。
余談だけど、『天使のたまご』のお腹に卵を抱えて歩く少女や生き物みたいなデザインの戦車って、デスストの元ネタなんだろうか…。