過去作を全てプレイしてきた人間からすると、前半6割くらいは「It takes two」から進化が見られず「駄作・・・?」と不安になっていたが、実は新しいアプローチは全部後ろに詰められていて、二次関数的にテンションが上昇するというイカれた構成でした。とは言え、未だ最高傑作は例の大ネタを披露した「A Way Out」で、なかなかそこは超えられないんだなと難しさも感じる。
一番奥にあった劉玗の《If Narratives Become the Great Flood》が今年一番のお気に入りになった。例えが悪くて申し訳ないが、化物語的なタイポグラフィ&CGを使って人間が登場する以前の神話世界をミニマル&プリミティブに表現するというもの。スクリーン前に置かれた土偶のようなオブジェクトを使ったプロジェクションマッピングも完成度が高くカッコいい。よくぞこれを日本に持ってきてくれた。
蓮沼曲をin the blue shirt風にアレンジした曲が次々に飛び出す。環ROYや羊文学など、トラック提供やアレンジで参加したものも含まれていた。機材を覗きたかったがステージが高く見えず。未だに「マシンライブ」が何なのか分かっておらず、勉強しないとあかんなと思う。終盤カオスパッドを触っているのが見えたが、あれはシンセリードのメロディと音色のどっちを弄っていたんだろう?
日本のクラシックアニメの「世界を救う戦隊」な設定を持ち出しているものの、暴力なく話し合いでドラマを決着させたり、クイアな要素を取り込む手法は、クリスティーン・ラブの「Get in the Car, Loser!」を思い出したりした。(クラシックなJRPGのフォーマットでクイアな物語を展開するインディーゲーム。近藤銀河さんのインタビュー記事が詳しい。https://jp.ign.com/get-in-the-car-loser/56725/interview/rpgget-in-the-car-loser)
歓喜してしまったのはclubパート。初期の蓮沼執太はリアルタイムで追えてないので、Hooray辺りのエレクトロニカ曲をクラブで聞ける貴重な機会だった。今度メトロでやるin the blue shirtとのライブもこのスタイルなのかしら、と帰り道で考えていたが、有村さん&ゆnovationが会場にいた事を後で知る。気づかなかったー。