20250119

20250119

in the blue shirt ✖️ 蓮沼執太のライブを見るために京都へ。

京都を歩くと東京にはない静けさと平らな道が楽しくて、ずっと散歩していたくなる。

サクッと適当な店で昼食をとってから、ギャラリー「PURPLE」へ。イ・スンヨルの写真を見る。

ネット上で探してきた建築物の写真を元にミニチュアで再現してからもう一度写真で撮り直すという工程を得ることで、新しい質感の平面芸術が生まれるという作品。吉田志穂もそうだが、この手の変換式を噛ませるような表現を自分は好きなことに最近気づいた。

展示と関係ないが、お店は雑居ビルの3Fにあり、2Fにあるダンス教室の音が漏れて聞こえてくるのが面白い。京都は高い建物を作れないので空き場所がなく、こういったミスマッチが生まれるのかもしれない。不思議と不快感はなく、東京のマキシマリズムに飽き飽きした自分には、真逆の保守的な京都のシステムから生まれる許容性が羨ましい。

ショップの写真本は非常に充実しており、特に赤赤舎の本がよく揃っている。海外から買い付けた傷物写真本の安売りコーナーがあったのも面白かった。東京のナディッフでは手に入らなそうなZINE的な本を中心に購入。いい買い物だった。

そういえば任天堂ショップの京都支店ができていたなと歩いて高島屋へ。

渋谷と違って人口密度低めでゆっくり品物が見れる。とはいえ持ち帰りたいと思えるものが殆ど無いな・・・、と帰ろうとしたところで任天堂ハードを模したガシャを発見!1回だけ回してこれをお土産にすることにした。(GCのCスティックが出た)

次は美術館エリアへ向かうが、早めの夕食でうどんをいただく。

京セラ美術館はすり鉢状に凹んだ地下エリアから入場させる建築に痺れた。今は蜷川実花の個展をやっていたが興味がない。トライアングルという無料展示スペースで「坂本森海:火と土と食べたいもの」だけ見て帰る。陶芸とクレイアニメを融合した映像&立体作品でこっちの方が私の好み。

その後隣の国立近代美術館のコレクション展へ。目当てはモンドリアン!何度も見ている気がするが一年に一度は会いたくなる。

たまたま見つけたパターン画が面白く写真を撮る。コロマン・モーザーの作品。

いつの間にか周囲は真っ暗になっている。良いバスがなく徒歩でメトロへ。途中知らずに熊野寮のあるルートを選んでしまいタテカンにおののく。

メトロは有名だが一度も訪れたことがなく、地下鉄通路からアクセスする導線に驚く。

Open時からDJがあることを知らず、18:00からのライブ開始直前に到着したせいですでに有村さんがプレイしている。

メインステージに蓮沼、通路側サブステージに有村が陣取る2ヵ所構成で、ライブに向けて奥に詰めていくと自然に有村さんの目の前に立つ位置に来てラッキー。

蓮沼曲をin the blue shirt風にアレンジした曲が次々に飛び出す。環ROYや羊文学など、トラック提供やアレンジで参加したものも含まれていた。機材を覗きたかったがステージが高く見えず。未だに「マシンライブ」が何なのか分かっておらず、勉強しないとあかんなと思う。終盤カオスパッドを触っているのが見えたが、あれはシンセリードのメロディと音色のどっちを弄っていたんだろう?

後半の蓮沼編へ。MCでは「有村くんは自分に影響を受けたとのことだが、自分の2つの面のうちいま有村くんがやらなかった方をやろうと思います。」と説明。レコードを流しながらシンセやピアノを被せるunpeopleリリースライブ型のパフォーマンスがスタート。一気にシリアスなムードへ。unpeopleのリリース時に谷崎純インチロウ的な「陽陰」の「陰」の作品と説明していたが、MCの説明はそういう文脈とと自分は受け取った。いつの間にか照明も落ちてどんどんビートに没入。かなり踊れた。

次にピアノパートへ。

EMCシンセに一定の間隔で電子音を鳴らさせるも、それとは異なる非同期なテンポで「ストローク」の弾き語りを重ねる。複数の時間が同時進行する。

「METROに多分初めてピアノが搬入されたとのことなので、たくさん弾いておきます」と説明しながら本格的な弾き語りゾーンへ。ピアノオンリーでの演奏と、ビートを加えた演奏と、二段構成になっており、やはり一癖ある。

アンコールではようやく二人でのトークが入る。

蓮沼「有村くんの蓮沼執太フィルカバーがオリジナルよりバズっていた。」有村「本家は絶対越えられない仕組みになっているので・・・」

というやりとりに有村節を感じる。

実は学生時代に有村さんは蓮沼さんに会っていたらしい。互いに客演に呼ぼうとするもライブ、卒業制作、etc.でスケジュールが合わず今に至り、呼んでも出てくれない嫌な先輩みたいになっていたとのこと。このシリーズ企画でもvol.1に読んでいたが神戸の展覧会と被りNG。vol.2でようやくブッキングに成功したという経緯らしい。

最後に二人でピアノ&エレキギターでONEMANを演奏。即興風でゆるさのあるパフォーマンス。この二人が一緒に曲をやっているのを見て勝手に感動してしまう。

最後に次回ゲストが発表されたが原口沙輔で「えっ」と声に出してしまった。豪華すぎる。

蜻蛉返りで東京に戻る。家に着く頃には日付も変わっていて明日は仕事。しんど。

20250125

150年を見に池袋へ。絶妙にアクセスし辛い場所のため、久しぶりに都電に乗った。

予約時刻通りに着いたが、関係なく大行列に並ぶことになり焦る。それでも20分くらいで入場できた。

「惑星ザムザ」も見ているので布施・田中 布陣シリーズは2度目。今回は工事用足場で複数の建物を渡り歩くという構成で、九龍城を思わせる迷宮っぷり。

場の面白さが強すぎて肝心の作品に集中できないという課題は感じるが、建物内に放棄された物を作品内に取り込むことでギリギリ成立していると感じた。

(後日、本展覧会の参加者から主催へのハラスメント告発があるなどザワついている状況。現時点で真相は分からないが、少数気鋭だからこそ成立した企画であるのは間違いなく、クローズな空間の良い面と悪い面がはっきり出た結果になった。なんとかうまい仕組みを作り上げて挑戦は続けて欲しいところ。)