「ストーリーのつくりかたとひろげかた」を読んだ

「ストーリーのつくりかたとひろげかた」を読んだ。イシイジロウ氏の考察やノウハウを惜しげ無く共有してくれるとても良い本だった事を大前提として、気になったのは3幕構成や15のビートの話。15のビートを使って『アイアンマン』のストーリーを解析してくれる所まではいいとして、どうビデオゲームに転用するかについては少し触れる程度で、具体的なタイトルを解析した実例がなかった。これは、本書がビデオゲームのみならずイマーシブシアターなど様々なメディアを含んだ広い意味でのストーリー論であることや、実例を書くにしてもRPGなのか、テキストアドベンチャーなのか、アクションゲームなのか、ジャンルによって都合が違いすぎて書くにはきりが無いから、そこから先は読者に任せて他にページを割くべきだという判断なんだと思う。

私的なメモに近い文章になるけど、本書を読んで補足的に考えたことや、15のビートを使ったストーリー解析の実例として、先日このブログで感想記事を書いた『アルトデウス:BC』の解析をやってみたので、こっそりここに書き残しておく。(ネタバレ注意)

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『アルトデウス: BC』感想 百合とADVと『惑星ソラリス』

『アルトデウス:ビヨンドクロノス』をプレイして驚いた。本作のストーリーは明らかにスタニスワフ・レムのSF小説『ソラリス』を下敷きにしていたからだ。

『ソラリス』は多様な解釈が可能な作品だ。それ故に、これまで2度映画化されたが監督ごとにその内容は異なるものになった。1度目は有名なタルコフスキー版、2度目はソダーバーグ版だが、どちらに対してもレムは納得がいかず批判的な態度を取っている。

でも『アルトデウス』がやっているのはそういうレベルの話じゃない。SFファンほど「え?」と思ってしまうアイデアだけど、「惑星ソラリスにおける主人公の葛藤ってADVゲームにできるんじゃないか」という事に気付いて、それを本当にやってのけてしまった。更に、主役級の人物を女性にすることで、百合の関係に書き換えるといったアップデートもなされている。

この感想記事では、本作と『ソラリス』の関係に触れつつ、また『アルトデウス』がそこに何を付け加えたのかについて考えてみる。

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外山圭一郎とメディアアート

2020年12月3日、外山圭一郎氏がSIEから独立し、自身のスタジオであるBokeh Game Studioを設立したことが発表された。

外山さんは自分の最も好きなゲームディレクターの1人で、『SILENT HILL』『SIREN』『GRAVITY DAZE』などの作品を手掛けてきた。外山さんの世間的な評価としては、作品に強烈な外連味とキャッチーさの両方を込めるという難しいディレクションをこなし、愛されるIPを生み出すことができる人物といったところだと思う。例えば『GRAVITY DAZE』はメビウスなどのバンドデシネに影響を受けたビジュアルを採用した作品で、これだけではニッチな内容になりそうなところを、特殊能力を持つ快活な少女が市井の人々のために奮闘するという日本の往年のアニメのエッセンスをミックスすることで、間口の広い作品に仕上げている。ダメ押しに音楽は多くのアニメ楽曲を手掛けてきた田中公平氏に依頼するなど、ディレクターとして非常に優れたバランス感覚を持っていることが分かると思う。

しかしもう一つ触れておきたいのは、『SIREN』以降の作品に共通してみられる、ビデオゲームの中にメディアアート的なアプローチを持ち込む手法だ。

Bokeh Game Studio設立記念!というにはお粗末で短い文章になるけれど、簡単にまとめてみたい。

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ミニマップを見つめるとき

2020年の年末はずっと『Cyberpunk2077』をプレイしていたのだけど、『GTA』シリーズの様な既存の都市型オープンワールドのメカニクスをそのまま引き継いだ作りであることに悪い意味で驚いた。何が不満なのかというと、メニューから進行したいミッションを選択してから開始地点に辿り着くまでの移動の間、じっとミニマップを見つめることになるあの時間が嫌いだ。執拗に作り込まれたナイトシティの景色を楽しみたいのにそうさせてくれない。情報が氾濫するサイバーパンクという題材も、オープンワールドの中でプレイヤーをどう歩かせるのかに効いてくるのだろうと発売前は想像していたが裏切られてしまった。

振り返ると、初めてミニマップに悩まされたのはずっと昔の『メタルギアソリッド1』だった。それからしばらくして、多くのAAAタイトルがオープンワールドを採用するなかでまた目に付く機会が増えた。

ミニマップの在り方にどうこう言いたいわけじゃない。ただ、ゲームメカニクスに対して直感的に違和感があったときに、ミニマップが主張してくるという形でそれが表面化するケースがあり、自分の中の何に引っかかったのかについてだけ興味がある。

そこで、自分の主観で過去に気になった作品をいくつか挙げて分析してみた。先にあらすじを言ってしまうと、3D空間を最大限に活かしたゲームメカニクスとは何か?という話になっていく。(個人的な興味に基づいた文章なので、何もなくてもがっかりしないよう。)

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私的GOTY2020

今年は巣ごもり需要による『あつ森』の大ヒットなど、世間的にビデオゲームが再評価されるような流れがあった。あの美術手帖も同じようなまくらで始まるゲーム特集を出した。でもそんなのはごく一部の側面で、『ノーモア3』や『テイルズ新作』など自分が楽しみにしていたゲームは殆どが影響を受けて来年に延期になってしまった。そんなわけで、積んでいたゲームを崩したり、リマスターに手を出したりと、時世通り休息モードで過ごした2020年でした。

プレイしたゲームは以下。

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ソウルシリーズ振り返り 宮崎GMとのセッションログ

ここの所、PCでダークソウルシリーズをやり直していた。特に『ダークソウル1』は学生時代にかなりの時間をかけてやり込んだゲームなのもあり、地元に帰ってきたような感慨深さがあったのだけれど、同時にプレイヤーの数が減ったことで一部の体験がオミットされている事が気にかかった。一応ソウルシリーズはシングルプレイのゲームとして成立するように作られており、それに加えてマルチプレイも出来るという体で設計されている。しかし、マルチプレイ要素への距離感はタイトルごとの違いがある。最も離れたのが『SEKIRO』であれば、最も近づいたのが『ダークソウル1』だったと自分は感じている。なまじシングルプレイが出来てしまう分、プレイヤーが意識して口伝しないとこの辺りはどんどん見えなくなってしまうのかもしれない。そこでという訳ではないけれど、次回作である『ELDEN RING』まで暫くかかりそうであるし、このタイミングで自分なりのソウルシリーズの史観をまとめてみようと思う。

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私的GOTY2019

2019年は稀に見る豊潤の年で、懇意のデバロッパーの新作が出続けた上に、DevotionやFLOWERSなど素晴らしい新規タイトルとの出会いもあった。自分はつなぎ的にゲームを買わないので興味のあるタイトルをクリアしたら可処分時間は他の趣味に割くのだけれど、良くも悪くも今年はゲームをしていた記憶しかない。

プレイしたゲームは以下。

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オブジェクト指向で世界のことを考える デス・ストランディングと蓮沼執太について

小島監督作品ではお馴染みの要素だが、デス・ストランディングには実在するアーティストの楽曲がゲーム内で使用されている。日本人では唯一、星野源の「Pop Virus」が収録されているが、本作をプレイしていて自然と頭の中に浮かんだのは蓮沼執太の楽曲だった。それは両者に体験レベルで共通する部分があるからだと思う。

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ジャンル名「百合系ミステリィADV」とは『flowers』レビュー

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初めにこのゲームを人から勧められた時に引っかかったのは「百合系ミステリィADV」というジャンル名だ。なぜこの二つを掛け合わせたのだろう。

「flowers」は、全四部からなる百合をテーマにした連作ADVゲームだ。各篇は季節の名前を冠しており、2014年に第一部である春編がリリースされてから一年に一本のペースで続編が公開され、2017年に完結している。

身近に本作の熱心なファンがいたため評判の良さは以前から聞いていたが、四部作というハードルの高さに後回しにしていた。そしてつい先月、全編をワンパッケージにまとめたPS4版が発売されたとのことで意を決してプレイしたのだが、仕事と食事と睡眠の時間以外全てを捧げるほどのめり込んでしまい一週間足らずでクリアしてしまった。それどころか本編だけでは飽き足らず、今では卒業アルバムのような分厚さのアートブックや関連CDの収集まで始めている。この記事はレビューという体だが、本作を布教するための文章であり、また何故私が本作にここまでのめり込んでしまったのかを整理するための文章だ。

以降の本文では、出来る限りネタバレは避けたつもりが、レビューの上で必要と判断した内容には触れるため未プレイの方は注意して欲しい。特に「flowers」は前知識の有り無しで体験の質が変わってしまう内容であり、それこそ公式HPの情報すら見ないことを推奨する。

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2018振り返り 私的GOTY

ふりかえろう。プレイしたゲームは以下です。


PC

  • Assault Spy
  • Black Bird
  • Euphoria
  • Fortnite
  • Getting Over It with Bennett Foddy
  • Hover
  • Killer7
  • Iconoclasts
  • La-Mulana2
  • Life is Strange:Before the Storm
  • Link:The Unleashed Nexus
  • THE MISSING
  • SEPTEMBER 1999
  • Space Invaders Extream
  • VOXSOLAR
  • A Way Out
  • みにくいモジカの子

PS4

  • ASTRO BOT
  • Detroit:Becom Human
  • Déraciné
  • Far Cry 5
  • Firewall Zero Hour
  • God of War
  • GUNGRAVE VR
  • Marvel’s Spider-Man
  • Red Dead Redemption 2
  • Tetris Effect
  • アイドルマスター ステラステージ

Switch

  • LUMINES Remaster
  • Nintendo Labo
  • ファミリーコンピューター Nintendo Switch Online
  • 返校
  • 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL

Web

  • アイドルマスター シャイニーカラーズ

Netflix

  • ブラックミラー:バンダースナッチ

以下に特に印象に残ったものについてコメントします。

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